錬金術には、どこか怪しげだが、人の心を引きつけるイメージがある。万有引力の法則を発見したニュートンも錬金術にとりつかれていた。
鉄などの普通の金属を貴金属に変える錬金術は否定されたが、ありふれた素材から高機能で価値ある製品を作り出す現代の化学は、広い意味で錬金術そのものだ。
錬金術が登場したのは、古代エジプト。
人間を神に近い存在にする神聖な術だった。
「図解錬金術」(草野巧 新紀元社)は錬金術の考え方を分かりやすく解説する。
錬金術が基礎となって花開いた近代化化学。
最大の成果の一つは、空気中の窒素からのアンモニアの合成と工業生産への応用だろう。その光と影を描いたのが「大気を変える錬金術」(T・ヘイガー みすず書房)。
アンモニアから作られる化学肥料のおかげで、農作物の収穫量が増え、世界の人口は68億人を超えた。一方で、この技術は、爆薬や航空燃料の製造にも使われる。
大量に放出された窒素化合物は、生態系を乱す原因にもなっている。
鉄系の超伝導物質などを発見した東京工業大学の細野秀雄教授は、現代の錬金術師の一人。
セメントなどで透明な半導体や金属を作る技術や発見の歴史を自ら解説した「透明金属が拓く驚異の世界」(細野秀雄、神谷利夫 サイエンス・アイ新書)からは、研究のワクワク感が伝わってくる。
杉村純 3冊でわかる錬金術 讀賣新聞朝刊 8月29日 日曜日
2010.08.30
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備忘録 どこか怪しげ錬金術
錬金術には、どこか怪しげだが、人の心を引きつけるイメージがある。万有引力の法則を発見したニュートンも錬金術にとりつかれていた。鉄などの普通の金属を貴金属に変える錬金術は否定されたが、ありふれた素材から高機能で価値ある製品を作り出す現代の化学は、広い意味で錬金術そのものだ。
錬金術が登場したのは、古代エジプト。
人間を神に近い存在にする神聖な術だった。
「図解錬金術」(草野巧 新紀元社)は錬金術の考え方を分かりやすく解説する。
錬金術が基礎となって花開いた近代化化学。
最大の成果の一つは、空気中の窒素からのアンモニアの合成と工業生産への応用だろう。その光と影を描いたのが「大気を変える錬金術」(T・ヘイガー みすず書房)。
アンモニアから作られる化学肥料のおかげで、農作物の収穫量が増え、世界の人口は68億人を超えた。一方で、この技術は、爆薬や航空燃料の製造にも使われる。
大量に放出された窒素化合物は、生態系を乱す原因にもなっている。
鉄系の超伝導物質などを発見した東京工業大学の細野秀雄教授は、現代の錬金術師の一人。
セメントなどで透明な半導体や金属を作る技術や発見の歴史を自ら解説した「透明金属が拓く驚異の世界」(細野秀雄、神谷利夫 サイエンス・アイ新書)からは、研究のワクワク感が伝わってくる。
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